なぜ?西日本の金属サイディング 普及率が低い理由

リフォーム産業新聞 2018/05/15 15面より

 「西日本で金属サイディングが普及していない」。こう語るのは日本金属サイディング工業会の芝藤保幸会長だ。金属サイディングは窯業サイディングに比べて軽いため、リフォーム向きの外装材。「カバー工法」での改修も普及し始めている。

金属サイディングの地区別出荷実績

日本金属サイディング工業会 金属サイディングの地区別出荷実績

新築戸建てでは窯業にシェアを譲るが、リフォーム用では窯業を上回るデータもあり、人気を集めている外装材だ。

工業会では2016年度の金属サイディングの出荷量を発表している。それによると西日本(東海、近畿、中国・四国、九州)の割合は20%。特に、中国・四国と、九州は4%とかなり低い。これは新築とリフォームを合わせた出荷量だが、やはりリフォームでも西日本の出荷量はその他のエリアと比べて低い水準にある。

芝藤会長はこう分析する。「元々金属サイディングは雪に強く、北の方で使われやすかった。西はそういう機能的なメリットが見いだしにくかった」

もう一つの要因はデザイン。というのも、西は瓦屋根が多く、瓦メーカーも多い。瓦屋根と調和しやすいのは窯業サイディングやモルタル壁という声も少なくないという。ただし、現在は瓦屋根が減り、今後はチャンスがあるともいえる。

工業会では毎年、施工例写真コンテストを実施しており、西日本からの参加も増えている

工業会には大手8社が加盟するが出荷量の合計は2016年に1440万平米、2017年に1463万平米と横ばいが続く。西日本のリフォーム会社が改修での取り扱いを増やせば出荷量は増えるとみられ、PRを強化していく考えだ。6月12日には名古屋にて「外壁リフォームのすすめ」をテーマにしたセミナーも開催する。