クリナップ、社運かけたデザイン性にこだわる新キッチン「ステディア」発売
リフォーム産業新聞 2018/08/27より
9月受注開始
クリナップ(東京都荒川区)は9月3日、新キッチン「ステディア」の受注を開始する。強みのステンレスキャビネットに加え、「デザイン性」を強く打ち出した新商品。今年11月に受注を終了する同社の人気キッチン「クリンレディ」に代わるブランドで、業績回復の起爆剤にしたい考え。竹内宏代表取締役社長執行役員は「社運をかけた新商品。クリンレディの2割アップを目指す」と意気込む。
デザインは3種類。写真は「ノルディック」。コンセプトは暮らしの中で輝き続けるエイジレスなキッチン。簡単に清掃できる洗エールレンジフードや清掃しやすい流レールシンクなど、クリンレディの人気機能は性能を高めて引き継がれている
新キッチンの特徴として打ち出したのがデザイン性だ。今回、ノルディック(写真参照)、ラスティック、フレンチレトロの3種類のデザインを用意した。
常務執行役員開発本部長の藤原亨氏は、最近特に自身のインテリアの好みに合わせてリフォームする人が増えているとし、「今支持されている3種のデザインを付け加え、部屋のコーディネートの幅が広がるようにした」と話す。また、ホワイト、ベージュなどの5色から選べる人工大理石シンクも用意。価格は基本プランで79万8000円から。
新商品投入の狙いは低迷する業績の改善。「新築着工もリフォーム市場も低調」(竹内社長)とし、同社の第1四半期(4~6月)は赤字に転落。現在、構造改革を進めており、「中でも中高級市場の強化を最優先」と竹内社長は強調する。
同社の主力商品は中級価格帯キッチンの「クリンレディ」。1983年に発売され、累計165万セットも売り上げた人気商品。だが11月に受注を終了しステディアに切り替える。
人気ブランドを無くすことで業績の悪化につながる可能性もある。竹内社長は「外からも社内からもなぜクリンレディをやめるのかとの声が多く上がった。しかし、クリナップがこれから70周年を迎えるにあたって、変革と創造が大事。もう一度1から新しいブランドを立ち上げ、新たな歴史を作ることが重要」だと強調する。
今年2月には既に改革に着手済み。最高級グレードキッチン「セントロ」を発売。これは従来の「S.S.(エスエス)」からの切り替え商品だ。
近年キッチン競争は激化。LIXILはセラミックトップという高耐久の天板が特徴の「リシェルSI」の販売を強化。新築に強いタカラスタンダードは改修市場に注力。竹内社長は「シェアを取っていかなければならない。そのためには、いかに価値を認めてもらうかが大事だ」と話す。
8月21日には松たか子さんを起用したテレビCMを開始。10月下旬までは全国のショールームでデビューフェアを行い認知度を高める考えだ。