「350mmの法則」

新建ハウジング出典

LIXIL、家じゅうのモノがムリなくしまえる新収納を近藤典子さんと開発

LIXIL(東京都千代田区)は4月1日、住まい方アドバイザーの近藤典子さん(近藤典子Home&Life研究所)と2年半の期間をかけて開発したという収納商品「ヴィータス パネル」を発売する。

30年以上にわたり、片付けをはじめとする人々の"暮らしの困った"を解決してきた近藤さんは、住む人の管理能力の問題だけでなく、家の収納にも問題があると感じるように。そして、さまざまな分譲住宅メーカーや企業とのコラボを通じて「350mmの法則」を独自に見出したという。
「収納と350mmは大きく関わっており、住まいの代表収納である押入れやクローゼットは床から350mmごとに高さを刻んでいくと効率的にモノがしまえることがわかった」(近藤さん)[下図参照]。

近藤さんは350mmを「収ナビ」と呼んでおり、高さ350mmピッチで空間を仕切ると、日用品から衣類、家電、あまり使わない季節物まで、家庭内のほとんどのモノをムリなく収納することができるという。

新商品には、この「350mmの法則」を採用。住まい手がメジャーや特別な収納ノウハウをもたなくても、家じゅうのモノを簡単に管理できるようにした。

基本構造はシンプルで、350mmピッチのレールを5本埋め込んだ厚20mmのパネルをクローゼットの両側面に固定するだけ。このレールが奥行きの自由度を上げる役目を果たすという。
背板がなく、構成部材が少ないため、施工は半日〜1日程度。あとは、棚板やパイプ、フックなどのパーツをレールに掛けるだけで収納空間が完成する。

パネルサイズは、奥行きが400・600・700mmの3種類、幅が850・1100mmの2種類。幅850mmのパネルを選べば、既存の押入れ・クローゼットをはじめ、ほとんどのパターンに柔軟に対応できるとする。パーツは全パネル共通で、取り替えや追加も容易(買い足し用のパーツはオンラインで販売予定)。

クローゼットタイプ

収納プランは、(1)洋服を効率よくしまう「クローゼットタイプ」、(2)布団とその他のモノを分けてしまう「押入れタイプ」、(3)収納を家事・趣味・仕事・勉強スペースとして使える「デスクタイプ」、(4)日用品や使う場所が決まっていないモノをまとめてしまう「物入れ」--の4つあり、カスタマイズが自由。つくり手が提案しやすく、住まい手が使い方をイメージしやすい73通りのおすすめプランも用意した。
参考セット価格は10万2000円(クローゼットタイプ6尺D600)。

押入れタイプ

 「これまでは人が収納に合わせて暮らすのがあたり前だったけれど、人生は片付けるためにあるんじゃない。人の暮らしを楽にするのが収納であるはず。そして、あとで処分が必要な収納家具ではなく、初期投資は少々高くても、ライフステージの変化に合わせてずっと使い続けられる、モノを大切にする収納をつくりたかった。毎年少しずつパーツも開発していくので、長く愛される商品に育ってほしい」(近藤さん)。

「水回りに比べ、収納はまだリフォーム需要を喚起できていない分野。今回の新商品を活用した収納リフォームをきっかけに工事範囲を部屋全体へと広げ、建材のリフォーム需要をもっと活性化できれば。全国14カ所のショールームでは、近藤さんを講師に招いてビルダー向けセミナーも開催する。近藤さんの熱い想いとともに、住まい手への提案方法をいっしょに学ぶ環境づくりにも力を入れていく」(LIXIL Housing Technology Japan古島照生インテリア事業部長)。

(左)「側板レール引っ掛け方式」により、奥行きが有効利用できる。棚板が干渉しないよう、レールとの間にあえてわずかなスペースがあくように設計してあるため、好きなところにフックを掛けることができる。 (右)背板がないため、背面に壁と同柄のクロスを貼ったり、ワンポイント的に「エコカラット」をあしらったりと、デザイン面での自由度も高い。

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