【建材トレンド・外壁塗装の基礎知識】外壁塗装で躯体の保護を
リフォーム産業新聞 2018/09/17より
~建材トレンド・外壁塗装の基礎知識~
建物は塗装による塗膜によって、雨や風、紫外線といった様々な外的要因から外壁を保護・防水し、劣化を食い止める。定期的な塗装で外壁を保護することで、建物の寿命を長く保つことができる。また築年数が経過した外壁は、塗り替えにより美観を維持できる。
美観の維持・向上が目的
住宅の外装材には様々な素材が採用されている。外壁材で最も多いのが窯業系サイディング、次いでモルタル壁となる。この2つはメンテナンスの方法として塗り替えが選択されることが多い。また次いで金属サイディングは寒冷地での採用が多く、軽量で耐久性が高い点が魅力で、カバー工法に適している。現場調査の際に、外壁や屋根の劣化や素材によっては、カバー工法や張り替え、葺き替えが適している場合もある。
外壁や屋根の材料、劣化の状況をよく見極めて適切な方法を選ぼう。
外壁材の種類
モルタル
サイディングの拡大で一時需要は落ち込んだものの、塗り壁独自の意匠性や防火性が見直され根強い人気。経年変化でひび割れが起こるので塗り替え時には補修が必要。
窯業サイディング
主にセメント質原料と繊維質原料をボード状に加工した外壁材のこと。和風や洋風の家でも合う豊富なデザインがあり、住宅の外壁仕上げ材の中でトップシェア。
金属サイディング
金属で作られたサイディングのことで、軽量で耐久性に優れている特徴を持ち、リフォームで使用されることが多い。北海道や東北など寒冷地で多く採用される。
タイル
粘土を主原料に、鉱物を混ぜて焼き上げたもの。色落ちや変色の心配はないが、目地の割れやはがれなどの点検は定期的に行う必要がある。
写真提供:アマノ建装
塗装リフォームの基本ポイント
柄を生かすクリア塗装も人気
写真提供:アマノ建装
塗り替えの場合、既存の外壁デザインと同じように再現するのは難しい。外壁を保護しつつ意匠性を保ちたい場合はクリア塗装が最適。外壁の色味や木目などデザインを生かしながら、外壁を保護し艶を出してくれる。ただ既に色落ちしてしまっている場合は、その色を復元することは難しい。色あせや色落ちの前に塗装することが大切。
塗り替え以外の選択肢も
既存の材料を撤去せず上から新しい材料をかぶせるカバー工法も。廃棄物がほとんど出ないため、環境にやさしく低コスト。工期も短い。屋根も同様で、既存の屋根材の劣化は進んでいるが、下地の劣化はない場合に適する。
足場&ねた場の確保も
職人がハケ塗りする足場は壁から最低600ミリ程度のスペースが必要。公道をはみ出る場合は道路占有許可書が必要だ。また外壁塗装には”ねた場”という塗料のかくはんを行う作業スペースが必要だ。4~6平米ほどを確保する。
その他の諸注意
施工には塗料のかくはんや洗浄のために電気や水道が必要。事前に施主に電気・水道の使用許可をとる。また塗装する家のすぐ隣に駐車場スペースがある場合は塗料が飛散する恐れがあるので、工事中は移動をお願いする。