南海プライウッド、収納特化のショールームオープン

収納が生み出す豊かな生活を体感

収納材や天井材、床材などを販売する南海プライウッド（香川県高松市）は、8月に東京都千代田区にショールームをオープンした。このショールームは40坪あり、エントランスからリビング、キッチン、サニタリールーム、ウォークインクローゼット、ベッドルームと居住空間を完全に再現。その空間ごとに同社の商品を展示し、暮らしと収納のイメージを具体的に思い描き、体感できる場となっている。

(1)洗面収納「サニタ」　(2)トイレ収納「サニタ」(3)キッチン収納「ユニモ2」
(4)テレビボード「リビアス」(5)シューズクローゼットのあるエントランス

実用性とインテリア性を両立する施工方法

エントランスには棚柱に樹脂棚板を組み合わせた玄関収納システムを展示。背壁固定タイプのため、間取りに合わせて空間をフル活用できる。ベビーカーやゴルフバッグ、アウトドアグッズを置くスペースを設けることも可能。

棚板は簡単に取り外して洗える。棚柱はホワイト、シルバー、ブラックの3色、棚板はシェルホワイトとダークグレーの2色展開。営業推進グループ営業企画チームマネジャーの元谷太亮氏は「最近は靴を飾って、見せる収納の人気が高まっています」と語る。

リビングにはTVボードやインテリアカウンターになるボード「リビアス」を展示している。このボードは、壁にビスで固定した受桟にかぶせるように挿入する構造になっており、壁面への埋め込みが不要。受桟や金具類が見えないので、すっきりとした仕上がりとなる。木目調柄を5色展開。

ユーザー目線の細やかな工夫が魅力

キッチンには、キッチン収納「ユニモ2」を展示。この商品は、引き出しやスライドテーブルなどのユニットを自由にカスタマイズして連結。そこに扉を取り付け、すべてのキッチン用品を見えないように収納できる。3色から選べるパネルは半透明で、クリア感があるため空間になじむ。「この商品のスリム感には女性社員の意見が生かされています」と元谷氏。

サニタリーに展示されているのは壁厚収納「サニタ」。限られた空間を有効活用できる。洗面収納向けには、ドライヤーなどがかけられるフックがついており、洗濯機横向けには洗濯バサミなどを入れられるボックスが扉についているなど細やかな工夫が施されている。元谷氏は「水回りのリフォームが多いことから、洗面台やトイレまわりの収納にも力を入れています」と語る。

WICにはクロゼットシステム「ウォールゼットノエル3」を展示。引き出しやハンガーパイプだけでなく、スラックスハンガーやシャツトレイ、ギャラリーケースなどからパーツをカスタマイズできる。カラーはホワイトに加えて、新たに木目調柄2色が登場。「シックで、まるでブティックのような空間をつくれます」と元谷氏は言う。

ベッドルームには壁厚飾り棚やコーナーに設置できるニッチ収納を展示している。

どの製品もサイズや柄のバリエーションが豊富に揃っているところが同社の強みだ。「収納も家具のようにカラーコーディネートができ、空間を豊かにします」と元谷氏。金物やビスキャップの色も収納製品になじむように揃えており、よりインテリア性を高めている。

(6)WIC「ウォールゼットノエル3」　(7)ニッチ収納も充実した寝室

「収納といえば南海」を目指す

同社は創業75周年を迎え、「収納生活」というトータルブランドコンセプトを立ち上げた。「収納生活」のロゴには家とハンガーを組み合わせ、収納による豊かな生活を表現。「NANKAI」の文字も入れ、「収納と南海プライウッドを結びつけて思い出してほしい」と営業推進グループ・グループマネジャーの杉野智康氏は語る。

これまでは香川県に工場と併設した提案営業センターがあるのみで、首都圏からユーザーを呼ぶことが難しかった。アプローチの範囲を広げ、ユーザーも収納を体感できるようにするために東京でのショールーム開設に至った。

「空間と収納を同時にやる方がユーザーにダイレクトにつながると思います」と杉野氏。居住空間に収納製品を展示することで、「ここにこんな収納スペースがあったらいいな」という潜在的なニーズを引き出す狙いだ。

同ショールームは完全予約制。ビルダーや工務店への案内がメーンとなるが、月2、3回は問い合わせのあったエンドユーザーに向けても公開する。「これまではB to Bだったが、最近では決定権が施主へと移行していると感じます」と杉野氏は語る。

営業推進グループマネジャーの杉野智康氏（左）と営業企画チームマネジャー元谷太亮氏

リフォーム産業新聞(2017/11/28発行）　11面より