やっぱり便利な宅配ボックス! 京都の宅配ボックス実験プロジェクトの結果がすごかった

SUUMOジャーナル 2018年4月19日より
ネット通販の普及で、私たちの生活はますます便利になってきています。けれど、そんな中で悩ましいのが、荷物の受け取り。多くの人は平日には仕事や学校などで不在がちですし、週末も外出の予定があると、配送業者とすれ違いが続いてしまうことに。そんな再配達問題を憂慮したのが、日本一学生が集中する(※1)京都。そんな京都市とパナソニック株式会社(以下、パナソニック)、京都産業大学等が実施した宅配ボックスに関する実証実験の結果が発表されました。その驚きの結果をご紹介したいと思います。
※1 平成29年(2017年)度学校基本調査(速報値)(文部科学省)より、対人口比、短大生を含む

アパートでの再配達率が43%から15%に減少

この産学公が連携した宅配ボックスに関するプロジェクト名は、「京(みやこ)の再配達を減らそうプロジェクト」。京都市が主催し、パナソニックと京都産業大学及び宅配事業者が協力して実施したものです。

実証実験では、パナソニック製のアパート用宅配ボックス『COMBO-Maison(コンボ-メゾン)』合計39台を京都市内5カ所のアパート(合計106世帯)に設置。

アパート用宅配ボックス(画像提供/パナソニック株式会社)

アパート用宅配ボックス(画像提供/パナソニック株式会社)

その結果、アパートでの再配達率が43%からなんと15%(※2)に減少したのだそう!

※2 アパート3棟(66世帯)7日間/月×3カ月=21日間の累計での出口調査の結果より算出。再配達率=再配達荷物を受け取り荷物総数で割算。実証実験前の数値は、宅配ボックスでの受け取り個数を再配達と換算して比較

この数字に関してパナソニックの担当者は、「過去に行っていた福井県の実証実験で、48%から8%の結果が出ていたので、それに近い数字になる事を想定していました」と取材に答えてくれました。かつて同社は福井県あわら市で一戸建住宅、主に共働き世帯を対象とした実証実験も実施されていたので、ある程度の予測はついていたそうです。それでもやはり、この減少率はすごいですね!

ちなみにやむを得ず再配達になってしまったケースのなかには、「箱が大きすぎて、宅配ボックスに入らなかった」という理由がありました。そういった声にも対応するため、同社では2018年4月より「COMBO-Maison(コンボ-メゾン)」大型タイプ(ミドルタイプ)といったバリエーションもそろえていくことになっています。

さらに京都産業大学キャンパス内にも公共用の宅配ボックスを設置し、モニタリングを実施。

公共用の宅配ボックス(画像提供/パナソニック株式会社)

公共用の宅配ボックス(画像提供/パナソニック株式会社)

アンケートなどにより、自宅ではなくキャンパス内で荷物を受け取るニーズがあることが実証されました。

「宅配ボックスを、郵便受けのように当たり前の存在に」

この結果を受け、パナソニックの担当者は宅配ボックスの有用性に自信をのぞかせます。

「宅配ボックスは、単身世帯向けのアパートなどには必要不可欠な位置づけの製品ですが、まだまだ普及していません。物件検索で宅配ボックスありのものをお選びいただくことも可能です。メーカーとしては、今後ポストのように当たり前の製品となるように提案していきます」(パナソニック)

再配達が減ることで配送会社の負担も減りますし、それはひいては交通量の低下による環境改善にもつながります。また女性の一人暮らしの場合は夜間の配送の際にもドアを開ける必要がないので、安全かつストレスフリーで荷受けができそうです。

次回の物件探しの際は、宅配ボックスの有無もチェック項目に加えてみてはどうでしょうか。

●参照記事
PR TIMES
●取材協力
Panasonic